一生笑ってしゃべって食べられる
豊かさをお返したい
海風がそよぎ手つかずの自然が残るここ神恵内村に赴任してすでに21年が過ぎました。
新参者の私にいつでもやさしく接してくれる村の人と、この土地がとても好きで、人間味のあるつき合いができる風土だと実感しています。
こんなに豊かな自然と人間性の中で生活できていますが、果たして自分は歯科医師として「豊かさ」を762人の村民の皆さんに診療でお返しできているかという疑問が私の中にありました。
というのもむし歯になった、歯が欠けた、入れ歯の具合が悪い、といった悪くなったところを治す(=修繕する)後始末の診療に向き合う日々。
その治療は一時的に快適さを患者さんにもたらしても、その患者さんの将来を豊かにしたり、子どもたちの未来を明るくしたりするものではありません。
近い将来、必ずやり直しがある診療だからです。そんな思いを抱きながら日々患者さんに向き合っていると、村のDX人材として働く富士通Japanの社員の方を通じて、同社でDXを使いヘルスケアを地域社会に根付かせる仕事をしている方を紹介されました。なんとICT企業を通じてスウェーデンの先進的予防歯科に出会うことになったのです。
もちろん歯科医師として標準的な予防歯科は実践していましたが、知れば知るほど今までの診療に加えてスウェーデンの予防歯科を取り入れたい思いが強くなり、東京までたびたび研修に出向くようになって約1年半が経ち、ようやく村の皆さんに一生笑ってしゃべって食べられる「豊かさ」をお返しできる知識と技術、そして設備の準備が整いました。
どうぞ歯が悪い方も、入れ歯が不具合な方も、そして健康な方も自分の豊かな未来のために診療所にいらしてください。